アールデコ探訪/VOL-1
《東京/高輪消防署二本榎出張所》
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休日に自宅近くを30分位散歩していると、一寸変わった建物があり、中を覗いていたら、
消防士らしからぬ今時の若者が、見学ですか?と声を掛けてきました。
聞いてみると、一日20組ほどの見学者があるとの事。じゃあ、中見れますか?と聞くと、
いいですよ~と快く案内してくれました。しっかし、最近の公務員は何処行っても愛想が良く
なりました。“教育”そう教育なんですよねぇ。かの私もずーっと昔、公務員でしたが、
一般人に笑顔なんて考えた事もありませんでした。教育がなかったんですねぇ。

場所はJR品川駅から徒歩で15分位のところにあります。昭和8年12月に落成し、
ドイツ表現主義の建物として学術的、文化的にも貴重な建築物だそうです。
(高輪消防署二本榎出張所のパンフレットに書いてありました。)



◇まずは外観です。火の見櫓があるシンボルタワーが印象的。
 軍艦なんとかを模したと言ってましたが、その割にはカワユイ。
 資料によると設計は、『警視庁総監会計営繕課』
 おっかない所で考えた割には、愛嬌がありますねぇ。
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◇屋上の火の見櫓は海抜25Mの位置にあり、当時は周囲に
 高い建物が無く交代で見回りをしてましたが、現在は勿論
 使用しておりません。望楼の頭頂部のシンボルタワーは
 昭和59年、東京芸大、前野教授の設計で東京都の
 『文化デザイン』事業を踏まえ設けたという事でした。
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◇多分排気塔と避難ばしごです。
 今時の若者風署員に、この円柱なんですか~と聞いたら
 登って確認してくれましたが、円柱の上部は塞がっていたとの事。
 現在は使用していないので固めたのでしょう。
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◇次は内部です。左下が受付。ここで一応名前を書きます。
 右下は2階にある事務所で、現役で使用してます。
 右上の写真は3階の円形講堂。10個の窓部アーチと
 一体となった独特の意匠だそうです。現在は展示室になってます。
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◇階段部分と窓です。
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◇事務所の引き違いドアの内側は職員手製のオートリターン
 装置です。消防署員は手先が器用な人が多いんでしょうか。
 それとも予算がないのかな?
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◇高輪警察署も同じ時期、隣にに出来ましたが現在は
 建て替えてしまっていわゆる、普通のビルの警察署になってます。
 右のスケッチの建物が矢印の場所に建っていましたが、
 今は跡形もありません。突起物がないと愛嬌がありませんね。
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◆東京はかなり広いので、いろいろな街の顔があります。
 散歩と奥さんが趣味の私でしたが、最近は歳のせいか
 両方共?おっくうになってました。でも、通っていたスポーツジム
 も不景気のせいもあって辞め(だって普通の倍もするんですよ。
 自宅のマンションにはただのジムある事だし)ウオーキングも兼ねて
 再開したので、これはと思うものを紹介したいと思います。

 でも、日本の古い建物はメジャーなものを除いて、大切にされてる
 感じはしません。ここも署員の方はそれなりに頑張り、一般に開放は
 されていますが、古いものと新しいものを共存し、いつまでも新鮮な環境を
 創造するには、残念ながらいたってはいないのです。
 これからの高齢者社会に向けて、人もモノもただ古いから価値が
 あるのではなく、長~く愛され、歳を重ねて価値を見出して欲しいものです。

※地図はこちら

 
by works1211 | 2009-08-31 14:51 | インテリア・建築
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